ここをキャンプ地とする
ランタンも100円ショップで買ってきた単3電池を入れて点けるLEDのやつだし、鶏が丸々1羽入るようなダッチオーブンも持ってないし、アメリカンなサイズの骨付き肉を焼けるデカイBBQグリルも買う予定すらない。恐らく最近キャンプを始めた人の中でも最下層の装備力に位置しているんじゃないだろうか。 それでも僕は自分なりにキャンプを楽しんでいるし、最高だと思っている。 50ccの原付に荷物を積み込んで東京の端っこまで3時間のひとり旅。 都心から離れて行くと高層ビルが段々と低くなり、代わりに木々の背が高くなり緑が濃くなっていく。そして体感温度も少しだけ冷たくなる。 河原のキャンプ場に着くと、心の中で「ここをキャンプ地とする」と呟いて荷物を放り出し、大きめの石に腰掛けてしばらくエメラルドグリーンの川の流れを眺める。